本誌シリーズ1回目(会社員だけがもらえる給付金も!? フリーランスと会社員、年金や健保はどう違う?)で解説した通り、フリーランスの年金制度は会社員と比較してどうしても手薄になってしまうのが現状です。そのため自ら老後やその他のライフイベントに備えて資産づくりを行うことが大切になってきます。

シリーズ最終回となる本記事では、フリーランス向けの資産形成制度をご紹介します。それぞれの特徴をふまえて、目的に合った資産形成制度を活用しましょう。

1.貸付制度で万が一に備えるなら「小規模企業共済」

小規模企業共済は小規模企業の経営者や役員、個人事業主(フリーランス含む)のための退職金制度です。毎月1000円から7万円の範囲で掛金を自由に設定でき、増額・減額も可能。また年間掛金の全額が所得控除の対象となります。所得控除とは各納税者の個人的な事情を加味して税負担を調整する仕組みです。所得税率の高い人や掛金額が多い人ほど、所得税・住民税の高い節税効果が期待できます。

また小規模企業共済では低利(年利0.9%~1.5%)の貸付制度が利用できます。借入限度額は掛金の範囲内(掛金納付月数により掛金の7~9割)、具体的な借入可能金額は貸付の種類によって異なりますが最低でも10万円からです。そのため加入直後や積み立てている金額が10万円に満たない場合は貸付制度を利用できない可能性があるので注意しましょう。

なお小規模企業共済を20年未満で任意解約する場合、受け取れる解約手当金が積み立てた掛金合計額より少なくなるため注意が必要です。また掛金納付月数が12ヵ月未満の場合は解約手当金を受け取ることはできません。長期的に無理なく積み立てられる掛金額を設定することをおすすめします。

小規模企業共済で積み立てた掛金は運営機関である中小機構が運用します。そのため事業の廃止や老齢給付、解約など共済金の請求事由ごとに予定利率が定められています。現在の予定利率は事業の廃止(共済金A)で約1.5%、老齢給付(共済金B)で約1.0%です。将来受け取ることができる共済金の見込み金額は、中小機構のホームページでシミュレーションできるので参考にしてみるとよいでしょう。

また小規模企業共済には加入資格が設けられており、従業員数や業種によっては加入できない場合があります。加入を検討している方は、まずご自身が加入資格を満たしているか、中小機構のホームページで確認してみましょう。

小規模企業共済での資産形成に向いている人

小規模企業共済の最大の魅力は低利の貸付制度が利用できる点です。そのためビジネスローンなどの借入より低い金利で事業資金を借り入れたい方に向いている制度です。掛金を担保としての貸付になるため、積み立てた金額以上の資金を借りることはできませんが、社会保障制度が会社員より手薄なフリーランスにとって、ケガや病気、経済環境の変化などで資金繰りが困難になった際にこのような貸付制度は強い味方と言えるでしょう。