介護の相場観は「80代までに600万円」
次に介護も同じように、備える時期と費用を確認します。
公的な介護保険サービスを利用する場合は、要介護や要支援の認定が必要になりますが、年代別の認定割合を見ると、当然ですが、高齢になればなるほど、その割合は高くなります※4。例えば、95歳以上だと男性の3人に2人が、女性の5人に4人以上が要介護や要支援と認定されています。この認定割合は、80代前半では男性15.6%、女性22.5%、80代後半だと男性29.2%、女性43.0%になります。ですから、がんと同じように「4人に1人」で考えると、介護に備える時期の目安は80代だと言えそうです。
※4 出所:厚生労働省「令和2年度 介護給付費等実態統計の概況」
最後に介護の費用です。介護も人それぞれですが、平均的な費用を確認します。まず一時費用、例えば自宅のリフォーム費用や介護用ベッドの購入費になりますが、平均で74万円です。また、毎月かかる費用、これが平均で8.3万円です。そして、介護の期間。平均は61.1ヶ月、5年1ヶ月くらいですね※5。
※5 出所:生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」
一時費用と毎月かかる費用に介護期間を掛け合わせた費用の合計額は581万円(=74万円+8.3万円×61.1ヶ月)。少し数字を丸めると「80代までに600万円」、これが介護の相場観になります。