契約後に気づいたサブリースのデメリット
敷金礼金、更新料をもらえない
自分で直接賃貸していたら、賃借人から敷金や礼金、更新料などを受け取ることができます。
ところがサブリースの場合、サブリース業者が一括で借り上げて賃借人へ賃貸するので、賃借人が入れ替わったり契約が更新されたりしてもオーナーには敷金や礼金等のお金が入ってきません。
佐伯さんはこれまで礼金や更新料も含めてキャッシュフローを計算していたので、礼金などが入ってこないために「赤字」リスクが発生してしまいました。
家賃の切り下げ
サブリース会社との契約は、2年ごとの更新となっていました。
佐伯さんとしては更新後も当然、以前と同額の家賃を払ってもらえると思っていましたが、サブリース業者は「建物が古くなっているので家賃を下げてもらわないと困る」と言い出して、家賃を切り下げられてしまったのです。
当初「30年は家賃を保証できます」と説明していたにもかかわらず、2年ごとに家賃を切り下げられると、佐伯さんの赤字幅が拡大してしまいます。非常に不安な気持ちになりました。
解約トラブル
佐伯さんは「このままサブリースを続けていると、赤字が拡大して破綻してしまう」と思い、サブリース会社へ解約を申し出ました。
すると業者に、「サブリースは賃貸借契約で借地借家法が適用されるので、解約には『正当事由』が必要」「今回の解約には正当事由がないので解約はできません」と言われてしまいました。
佐伯さんは困ってしまい、弁護士に依頼。なんとか交渉により、サブリースを解約できましたが、高額な弁護士費用や解約料がかかってしまいました。
管理体制がずさんで賃借人とトラブルに
サブリースの解約後もトラブルが続きます。
サブリース会社がいなくなったので、佐伯さんが賃借人と直接契約しなければなりません。ところがサブリース会社の管理体制がずさんだったため、入居中の賃借人たちもオーナーへ不信感を抱いている様子。佐伯さんが連絡して事情を話しても納得せず、退去する人が多数発生してしまいました。
退去すると当然、賃借人はサブリース会社へ払った敷金を返還するよう佐伯さんに要求してきました。しかし佐伯さんはサブリース会社から敷金を受け取っていません。
結局佐伯さんが自腹で賃借人たちへ、受け取ってもいない敷金を返還しなければなりませんでした。
このように、佐伯さんは家賃保証を受けられるどころか礼金や更新料ももらえず家賃を切り下げられ、弁護士費用もかかった上に敷金も自腹になり、大損害を受けてしまったのです。