映像やSNSも活用し「ファンづくり」に取り組む

最近では顧客と髙塚氏、他のアドバイザーも加わったオンライン飲み会なども開催している。顧客とアドバイザーとの関係を深めることに加え、顧客同士の交流も促しながら、長く付き合ってもらえる「ファンづくり」にも一役買っているようだ。

フィナンシャルクリエイトは現在、25人のスタッフを抱える。集客はセミナーに加え、紹介による来店も多いが、原則として全ての顧客がファイナンシャルプランニングを受けることになっているのは前述の通り。そのポリシーは、創業当時から変わらない。

さらに最近は金融教育にも力を入れ、今秋には中学生の社会科見学や職業体験なども受け入れ予定だ。今年度からは東海大学で「FP資格を取ろう」というテーマの講義を受け持ち、講師として教鞭も取っている。2022年度から施行される新学習指導要領では、高校の家庭科で投資教育が取り入れられることもあり、「今後も子供や若者への金融教育には積極的に取り組みたい」と髙塚氏は話す。

また、これまでは無料で提供してきたファイナンシャルプランニングも、有料化して単独のサービスとして独立させることも検討している。専門家による家計の分析サービスは、保険や金融商品の購入を希望しない層にも一定のニーズがあると考えているからだ。そして何より、有料化しても十分に価値を実感してもらえる自信があるという。

「金融業界を変えていくためには、より多くの現役層や若年層にアプローチしていく必要がある」と髙塚氏。同社ではすでにYouTubeチャンネルを開設し、家計の問題や保険商品に関する情報を分かりやすく解説する動画配信を行っているが、さらにLINEやインスタグラム、TikTokといったSNS全般を活用した集客を目指す。すでにSNSマーケティングとクリエイティブの専任担当者も採用。「若い人にいきなりセミナーは重すぎるので、気軽に情報収集したり質問できたりするようにして、当社のファンを少しずつ増やしていきたいと考えています」と髙塚氏は力を込める。

若年層の金融リテラシーを高め、業界を変えていく――。高い問題意識と行動力を持ち合わせた髙塚氏の手腕に、これからも注目していきたい。