金融商品の提案の前に問題点を洗い出す
髙塚氏が目指すのは、顧客が自分自身で運用商品を選び、ポートフォリオを組めるような自立した投資家になることだ。そのため最初から投資商品を提案することはせず、リスクとリターン、コア・サテライト運用の考え方などについて、まず詳細にレクチャーする。1人の顧客に対して、10回を超えるミーティングを重ねることも珍しくない。創業当時はこのスタイルで、投資商品の購入などは顧客自身に任せていたが、どこで口座を開けばいいか分からないと言われるケースや、銀行や証券会社の窓口を訪れたものの、結局は別の商品を勧められて買ってしまうというケースが増えてきたという。
「保険販売で収益は出せていたものの、やはり保険と運用商品をトータルに考えないと、真の意味でのポートフォリオ提案にはなりません。顧客の利益を守るためには、IFA業務を併せて行うことも必須だと考えるようになりました。そこで、3年前に楽天証券でIFAの登録をしたのです」。
投資信託を販売するようになってからは、資産運用のアドバイスにも、より説得力が増すようになったと髙塚氏は続ける。「中には『家計のことは自分で何とかするから、今ある資金で何を買えばいいのかだけ教えてほしい』といった声もあるのですが、やはり家計の状況を把握し、長期的にどんな問題があるのかを分析しなければ最適な答えは得られません。保険の見直しや資産運用のアドバイスだけでいいというお客さまにも、ファイナンシャルプランニングから行っていただくようお願いしています」。
同社には、大手運用会社出身の経験豊富な専任ファンドアナリストが在籍するのも強みの1つ。資産クラスやタイプごとに推奨できる投資信託について、専門家の立場から分かりやすく解説するレポートを毎月発行している。「当社では投資信託の購入手数料をいただいていないので、提案する商品の手数料収入の多寡はもちろん関係ありません。インデックスかアクティブかにとらわれず、ベストと判断できるものを選択していますが、下落局面に強い商品が良い商品だと考えているため、結果的に推奨ファンドにはアクティブが多くなっています」。これらの推奨銘柄には、髙塚氏自身も投資しているという。