多くの人が睡眠と運動が効果的だと実感
健康づくりのためにしていることのなかで、効果的だと実感していることを聞いた質問では、「睡眠時間をしっかり確保する」「運動・スポーツをする」「外出時は手洗い・うがいをする」がいずれも60%を超えて、上位に並びました。図表3に上位10位までの回答が並んでいるのでご覧ください。
図表3.「健康づくりのためにしていることの効果実感率」
出所:大和ネクスト銀行「ビジネスパーソンの健康づくりに関する調査」
上位に並んだ回答を見ると、あまりお金もかからず、手軽に始められそうなものばかり。回答者が「健康づくりのために効果がある」と実感しているものなので、気になる回答があったら始めてみてはいかがでしょうか。
からだとこころの健康予算は1ケ月約1万円
ビジネスパーソンが健康づくりのために使っている金額は、全体では月額3673円です。年代別では、20代の3900円と50代の3916円がやや高く、目立ちました。そしてストレス解消のために使っている金額は、全体で6443円。年代別に見ると、40代が最も高い7186円、20代では6640円、50代が6084円となりました(図表4)。
図表4.「健康づくり、ストレス解消のために1ケ月間に使っているお金」
出所:大和ネクスト銀行「ビジネスパーソンの健康づくりに関する調査」
これらの結果をあわせてみると、ビジネスパーソンが、からだとこころの健康に使っている金額は、月額で約1万円ということがわかりました。
50代からが健康の分岐点!? 健康投資を心がけて
この調査結果では、「からだの健康」「こころの健康」のどちらの質問でも、50代男性の約3割が「健康ではない」と自己評価していました。
この調査では、自己評価を聞いているにすぎませんが、実は50代以降が健康の大きな分かれ目というのは、別の調査データにも表れています。例えば、国立がん研究センターによる「がんの罹患率~年齢による変化」の統計では、50歳代から80歳代くらいまで、がんの罹患率が急上昇していることを示しています。
図表5.年齢階級別罹患率(全部位 2017年)
出所:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))
ここではがんの罹患率のデータを紹介しましたが、がん、心筋梗塞(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)の3大疾病が日本人の3大死因となっています。これらの病気は「生活習慣病」とも呼ばれているように、長年の生活習慣が蓄積された結果として年齢が上がった時に病気となって表れます。
つまり、50代が近づいてきてから健康に気をつけ始めるのでは遅く、20代や30代といった若い年代から健康に意識を持ち、生活習慣を整えることが、後々の健康的な暮らしにつながっていきます。
こころやからだの健康を損なうと、「あたりまえ」と思っていた日常が維持できなくなります。治療費がかかるのはもちろんですが、仕事が継続できなくなって収入が減少しますし、家族の暮らしにも影響を与えます。何より自分が楽しくないでしょう。
また、いまから健康資産を蓄えておくと、いずれ自分が高齢期を迎えた時の医療費の抑制につながります。医療費や介護費は、高齢期の老後資金の目減りを加速することにもなるため、長期に渡って健康を維持できることは、暮らしの豊かさはもちろん、経済的な豊かさにもつながります。
「睡眠時間をしっかり取る」「運動習慣を身につける」「手洗い・うがいをする」などは、どれも簡単ですし、お金をかけなくてもできることです。こうした日々の心掛けが将来のために健康資産を蓄えます。
ひとりでは運動習慣が続かない……という場合には、スポーツクラブなどに通ってみるのもいいでしょう。ビジネスパーソンの平均的な健康投資は月額約1万円。将来への投資を思えば、払える金額ではないでしょうか。いまから無理なく続けられる健康習慣を始めてみましょう。