厚生労働省が発表する「簡易生命表」とは

簡易生命表は、厚生労働省から毎年発表されている統計データです。日本にいる日本人について、調査年の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の者が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値などを、死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表しています。

調査の中身は、
1.主な年齢の平均余命
2.寿命中位数等生命表上の生存状況(出生者のうち特定年齢まで生存する人の割合)
3.平均寿命の国際比較
4.死因分析 

の4つのパートからなっています。

なお、「平均寿命」は0歳の平均余命を意味しています。全ての年齢の死亡状況を集約したものであり、保健福祉水準を総合的に示す指標として広く活用されています。

日本の生命表として、厚生労働省では「完全生命表」と「簡易生命表」の2種類を作成・公表しています。「簡易生命表」は、人口推計による人口や人口動態統計月報年計(概数)による死亡数、出生数を基に毎年作成されています。「完全生命表」は、国勢調査による人口(確定数)や人口動態統計(確定数)による死亡数、出生数を基に、5年ごとに作成されています。

平均寿命は男女とも延び続けている

このほど発表された「令和2年簡易生命表」によると、平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳。前年と比較して男性は0.22歳、女性は0.30歳上回っており、男女とも寿命が延び続けています。

表1主な年齢の平均余命 

 

表2.平均寿命の年次推移

注:1)平成 27 年以前は完全生命表による。 2)昭和 45 年以前は、沖縄県を除く値である。

 

平均寿命は0歳の平均余命を表しますが、「主な年齢の平均余命」を見ると、60歳の平均余命は男性が24.21歳、女性が29.46歳と書かれています。これは、現在60歳まで生きている人は男性が平均で84.21歳、女性が平均で89.46歳まで生きると考えられる、ということを意味します。

平均寿命が延びている理由としては、男女とも悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患、肺炎、不慮の事故などの死亡率が下がっていることが挙げられます。