会えない時期にこそ発揮される「信頼の力」(30代・銀行)

現在所属しているのは本部なので、コロナ禍で顧客対応に当たるシーンは基本的にないのですが、意外にも以前担当していた顧客からの相談が増えています。

どうやら、来訪頻度が以前から大きく減ったことで、現在の担当とのコミュニケーションがと。そんな中、昨年のコロナショックをはじめとする資産残高の大きな変動に不安を持った方が、少しでも不安を和らげたいと昔から慣れ親しんだ担当を頼ってくるようです。

これはおそらく、時間は経っても、担当していたときに築いた信頼関係をお客さまは覚えていてくださっているということなのでしょう。なかなか訪問できない状況が、日々、信頼関係を築いていく重要性を浮き彫りにしているなと感じたできごとでした。

顔を合わせる回数が多いほど親しみや信頼関係が生まれやすい、というと意外とシンプルですが、やはり人間同士ですから、その傾向は否定できません。オンラインは時間や場所を問わずに対話ができる一方、「ちょっと近くを通ったもので……」ができないのが痛いところ。少しずつでも「あなたのことを考えています」という情報発信を怠らず、コロナ禍でも信頼関係を築き上げる努力をしたいものですね。(編集部)

柔軟な“アップデート”なしに地銀の生き残りはないのでは(30代・銀行)

コロナ禍を経て、業務と考え方がこれまでと大きく変わった。

リモートワークやウェブ会議システムを活用した社内会議、外部面談など、働き方や業務に関することは言うまでもないが、「地方銀行の危機感」についての考え方も大きく変わった。

ここ数年、営業目標(ノルマ)を原動力としたマンパワー営業について、当局からたびたび指摘が入ってはいたが、これまでは「とはいえ、そうした営業方針はなくなることなく、続くのだろう」と考えていた。しかし、この1年で「本当に通用しなくなる」と肌で感じるようになったのだ。

これからは、知識量が異なるからといって入社2年目の行員と10年目の行員で提案する内容が違ってくる、ということは許容されないだろう。そうした状況を防ぐ仕組みを作る必要があるわけだが、営業ツールの充実化や顧客管理システムの導入はコストが大きい。結局自社取り扱い商品で提案をまとめないといけないとするならば、ネット証券などのサービスを使い、協業していくことが必要だと考える。

コロナ禍によって急速にオンライン化が進み、顧客が必要な情報やサービスが銀行独自のシステム・サービスの枠組みではカバーしきれなくなる、ということでしょうか。知識量や続きの不便さを表情や補足説明などによって補えるなど、対面することでカバーできていた領域は意外と大きかったのかもしれません。その分、ツールの充実化を外部との連携も視野に入れながら推進することが「生き残り」のためには必要なのでしょう。(編集部)