米国モーニングスター社の評価システムは“星”による格付けから始まった

ファンドや株式の評価で知られているモーニングスター社という会社があります。米国モーニングスター社は1984年の設立、日本モーニングスター社は1998年の設立です。日本ではSBIグループと提携しており、モーニングスターの1つ星から5つ星でファンド成績を評価するスター評価システムはSBI証券で使われています。同じような評価は他でもよく見られ、たとえば楽天証券ファンドスコアなども独自の5つ星システムです。

米国モーニングスター社のスター評価は1985年に開始しました。過去3年間、5年間、10年間のパフォーマンスを調べ、それを他の同様なファンドたちと比較して、どのような成績順位であったかによって星の数を付与するものです。過去成績がトップ10%であれば5つ星、その次の22.5%に入っていれば4つ星、真ん中35%なら3つ星という具合で、ボトム10%だと1つ星となります。スター評価は純粋に過去の業績評価でした。

人間、何かを測り始めるとそれにどうしても縛られます。測ればそれを並べたくなり、ランキングというものが生まれます。誰でも一番がいいと思いますから、判断基準や価値観を左右します。

このスター評価も、これまで多くの投資ファンドの選択に利用されてきたわけですが、2011年に一度、そして2019年にもう一度、米国モーニングスター社はこの評価システムの大きな変革を行いました。何をどう変えたのかを知ることは、ファンド選択にあたっての評価基準がどう改善されたのかを知るということですから、日本の投資家にとっても大きな意味のあることだと思います。日本はまだ5つ星段階ですが、徐々に米国のファンド評価基準へと移行していくと考えられます。また、アメリカが行った改革内容は、ファンド選択において日本でも今すぐに適用できる知恵でもあります。