最も不運な時期に投資をしても、1400万円の利益に

投資直後に暴落の洗礼を受けることになってしまった三雲さんには、資本主義の仕組みを改めてお話しし、決して投資をやめてはいけない、と根気強くアドバイスし続けました。三雲さんに限った話ではなく、毎月お客さまにお届けしているメルマガでも同じ内容を伝え続けています。

彼女が初めて投資信託を購入した2008年から現在までの間には投資信託の低コスト化が進んだ上、管理しやすい商品も登場しました。そのため、投資成績を向上させるために商品を入れ替える必要があり、その際、500万円ほどの損失を確定せざるを得ないときもありました。

それでも三雲さんは、あきらめることなく粘り強く投資を続けました。幸い、彼女は積み立て投資も始めていたので、暴落相場の安値を生かした有利な追加投資もできていました。

リーマンショックで落ち込んだ世界中の資産価格は5年ほどかけてようやく回復し、現在はショック前をはるかに上回る上昇を見せているのは周知のとおりです。三雲さんは積み立て投資を平行していたおかげで比較的早く含み損を解消し、保有する投資信託の評価額は現在、4000万円に達しています。積み立て投資を含めた累計の投資金額は約2600万円なので、1400万円の利益が出ていることになります。

大切に築き上げた1000万円が一時は500万円にまで減ってしまった上に、その損失を確定した後でもこの成果です。彼女は「本当に途中でやめなくてよかった。岩川さんのアドバイスを信じてよかった」と言ってくださり、アドバイザー冥利に尽きる思いです。

相談当時は横浜にお住まいだった彼女は現在福岡に住んでいますが、毎年幕張で開催されるロックフェスティバルに合わせて相談に来てくれます。2020年はコロナ禍のためオンラインになりましたが、欠かさず近況を報告してくださいます。「普通預金が貯まってきたので追加投資をしたほうがいいですか?」といったご相談をいただくこともあれば、「最近仕事が忙し過ぎて、ストレスが溜まって……積み立て投資を少し減らして自分のために使いたんですが、どうでしょう?」という話もありました。

収入や必要なお金、そしてご本人の状況はどんどん変わっていきます。こうして毎年、その時に応じたアドバイスを受けられることで安心していただいているようです。現在は仕事量を減らしていて年収が以前より少なくなっていますが、こうした働き方の調整ができるのも、資産運用の成果が支えになっているからなのかもしれません。

投資のスタートがリーマンショック直前という最悪のタイミングだったのに、12年経過したいま、大きな成果が出ているのは、「長期的に見れば資産は増えていく」という点、そして「短期的には下落することも十分あり得る」ことを三雲さんが理解され、投資を続けてきたからです。今後も引き続き、どんな相場にあっても投資を続けられるよう、フォローを続けていきます。