今回は、ご主人を2年前に亡くされ、相続した資産の運用方法に悩まれていた東京都にお住まいの畠山美幸さん(仮名、70)の例をご紹介します。

相談者: 畠山 美幸さん(70)  会社役員(現在は無職)
ご家族: 夫  啓治さん(2年前に死去)  経営者 長女 晶子さん(45)       主婦 長男 友哉さん(42)      経営者
※いずれも仮名

相談のきっかけは「1億円の含み損」

畠山さんは、保険会社に勤める友人の紹介で相談にいらっしゃいました。一番の悩みは「証券会社からおすすめされて買った投資信託で、大きく損をしている 」こと。友人には保険の相談だけでなくその悩みも話していたそうで「であれば、資産運用に詳しい方を紹介しましょうか」ということで相談に乗ることになりました。

9億円と十分過ぎるほどの現預金をお持ちでありながら投資信託を購入された理由は、ご主人から資産を相続されたのをきっかけに「預金として置いておくよりは良いのでは」と考えたから、とのこと。

商品の内容を見せてもらうと、投資信託の中で最も大きな割合を占めていたのが、カナダの企業に投資を行う毎月分配型の商品。分配金は運用によって得られた利益ではなく、元本の一部から出ている状況で、資産は年々減り続けていました。元々2億円以上の資金を使って購入したそうですが、相談を受けたときの評価額は8000万円程度。分配金として受け取っている分はありますが、1億円以上も損失が出ていたわけです。