新型コロナウイルスの感染拡大によって、乱高下したのは株式相場だけではない。実は、「為替相場」も大荒れしたのはご存じだろうか。
アジアで感染拡大が広がり始めた2020年2月の下旬頃、投資マネーがアジアから米国へと退避した結果、円相場は一時1ドル=112円台にまで下落した。しかし3月に入り、感染拡大の範囲が欧米にまで広がると、コロナの影響をまるで避けるように今度は投資マネーが米国を逃避した。その結果、円相場が瞬間的に101円台へと高騰した。
わずか数週間で起きた、円相場の値幅が10円を超える事態。コロナショックによる株式相場の大暴落の陰で、このように為替相場も大荒れの展開となっていた。
コロナ禍の振り返りはここまでとして、為替相場と聞くと、FXトレーダーなど短期売買を行う人向けの話だと感じるかもしれない。長期で資産形成していこうと考える個人投資家にとっては、一見関係ないようにも思える。
しかし海外の株式や債券に投資するタイプの投資信託やETFなどは、為替相場と密接に関係している。さらに、ガソリン価格や小麦をはじめとした食品価格など、日常生活に近い部分でも影響はある。だからこそ、私たち一般の投資家も知っておきたい為替相場の知識を改めておさらいしておこう。