9割のアドバイザーがフィデューシャリー・デューティーを意識
次に前述の「フィデューシャリー・デューティー」に対する意識を聞いた設問では、62.3%が「意識している」と回答。「どちからといえば意識している」を合わせると、実に9割を超える結果となり、金融アドバイザーの間でフィデューシャリー・デューティー、顧客本位の業務運営が着実に根付いてきているのは間違いない。
アンケートでは、現在の業務に対するやりがい、満足度についても1(低)~10(高)の10段階で聞いているが、この結果もそんな意識の変化を反映しているかもしれない。最も多かったのが「7」の18.9%で、「8」も18.0%と僅差で続いた。思いのほか高いという印象を持つ人も多いのではないだろうか。
8以上を選んだ人にその理由を聞いた結果では、最も多かったのが「お客様のお金(資産)に関する悩みに直接寄り添える」で、ここからも顧客本位の姿勢がうかがえる。
続いて、「知人・友人に勤務先金融機関での資産運用を勧められるか」という設問に対しては、「自信を持って勧めることができる」が13.6%で、「ややお勧めできる」が27.6%。これだけでも比較的高い数字だが、興味深いのは「自身が担当であればお勧めできる」との回答が28.1%あったこと。少なくとも自分自身は、顧客本位のコンサルティングを行っているという自信を持つ金融アドバイザーが、それだけ多いことの表れだと言っていいだろう。
金融商品の販売に関して、さまざまな問題が噴出した2019年度。その一方で、金融機関が着実に変化してきいるのも事実であり、今はまさに過渡期にあるのかもしれない。後から振り返ってみると、2019年度がちょうど転換点だったと言われるよう、金融機関にはさらなる変革を期待したい。長期にわたって資産運用を続けるには、やはり信頼できる伴走者としての金融アドバイザーが不可欠となるはずだから。