母親の資金援助も「丸ごと自分のものになるわけじゃない」
さらに石倉さんの鋭い指摘の矛先は、母親の資金援助にも向けられました。
「暗号資産が2000万円っていつの話?ご存じだと思いますけど、暗号資産のマーケットはジェットコースターだから、評価額は激しく上下します。利確をしない限り、2000万円が1000万円になっている可能性もあるでしょ?」
「仮に換金する際の評価額が2000万円だったとしても、丸ごと自分のものになるわけじゃない。暗号資産で20万円を超える利益が出ていたら、来年確定申告して納税する必要があります。2026年時点では給与所得など他の所得と合算して課税される仕組みで、税率は住民税と合わせて最大約55%。他の金融商品みたいに20.315%じゃ済まないの」
「そもそも、お母さん名義の暗号資産だとしたら、贈与税の基礎控除110万円を超える分には贈与税もかかるから、来年は贈与税の申告と納税も必要になるわね」
そこまで言われると、ぐぅの音も出ません。
ささやかな抵抗で家賃の値上がりが激しく、それなら自宅マンションを買ってしまった方がいいのではないかと思ったという話をしたら、「マンション購入後の支払いはローンの返済だけじゃないでしょ? 毎年の固定資産税もかかるし、管理費や大規模修繕に向けた修繕積立金は毎月払うことになる。どれも最近のインフレで結構上がっているみたいよ」と返されてしまいました。
石倉さんの助言を受けて梨沙と話し合い、今回の購入は止めておこうという結論に達しました。不動産会社にお断わりの電話を入れた時、「これから金利が上がりますから、最後の買い時になるかもしれませんよ」と言われましたが、そういう問題じゃないんですと心の中でつぶやきました。
僕が「このタイミングで石倉さんの話が聞けて良かったかもね」と言うと、梨沙も「麻実の言う通り、必要な時に必要なことを言ってくれる人だと思った。逆に、ああいう物言いだから信じられる」と笑い、「根は優しそうな人だけど」と付け加えました。
今回はマンションの話だけで面談の予定時間が過ぎてしまったので、近々改めて、結婚後の資産管理や投資について、相談をしにうかがう予定です。
こうして石倉さんと出会えたのも何かの縁かもしれません。石倉さんには、今後も僕たちに歯に衣着せぬ助言をお願いしたいと思っています。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
