<前編のあらすじ>
結婚8年目の清美は、夫・道明と穏やかに暮らしている。2人は妊活中だが、まだ子どもには恵まれていない。今年も義母・ひろ子からお盆の帰省について日程確認があったが、清美の服装にまで注文をつけられ、早くも気疲れしてしまう。
夫婦が義実家を訪れると道明の兄の妻・悠里とその子どもたちがいた。身だしなみに厳しいひろ子と悠里を意識し、清美はいつも以上に服装を考えてきたものの、2人からは品定めするような視線を向けられる。
さらに、ひろ子は清美の紺色のワンピースを「暗すぎる」と批判し、悠里も靴との組み合わせを酷評する始末。例年以上にとげとげしいひろ子たちの態度を憂鬱に感じていた。
●前編【「ちゃんとそれなりの身なりで来てちょうだいね」義母の“公開品評”…笑顔の裏で始まった“嫁いびり”】
服装批判から夫婦への干渉へ
夕食はひろ子が出前を取ってくれたお寿司をみんなで食べた。夕食後、悠里は子どもたちを寝かしつけるために席を外し、清美は食器を片付けるために台所に向かった。ひろ子は夕食で出していたお酒を道明と2人で飲みながら世間話をしていた。
寝かしつけと片付けが終わると、悠里と清美も晩酌に合流し、テーブルを4人で囲む流れになったが、清美の気分は憂鬱だった。
「清美さん、あなたまだ30代でしょ? それなのにもう女を捨てたりして、もったいないと思わないの?」
「いや、別に私はそんなつもりはないですよ」
清美があまり得意ではない日本酒を口に含みながら答えると、道明も同調する。
「そうだよ。なんでいきなりそんなことを言い出すんだよ?」
「お義母さんはあなたたちのことを思って言ってるの。道明くんだっていつまでもキレイな奥さんのほうが嬉しいでしょ?」
悠里がひろ子のフォローに回った。道明は困ったような顔を2人に向けた。
「……何が言いたいんだよ?」
「道明はそういうところ無頓着だからね。でもね、もうちょっと周りの目ってものを気にした方がいいわ。夫婦そろって地味な格好してたら、見下されるわよ?」
「俺たちは別にこれでいいんだ。服なんて動きやすかったり洗いやすかったりすればそれでいいんだよ」
「まあ、あんたは男だからね、それでもいいかもしれない。でも清美さんも同じじゃ困るわ。私たちの前じゃなくてもいいけど、せめて夫の前ではもう少し女らしくいようとか思わないの?」
アルコールが回っているせいもあり、ひろ子の嫌味はエスカレートしていった。
普段なら、道明がいる前でこうしてあけすけに清美をいびることはない。自分が我慢していれば余計な心配をかけずに済むからと、清美自身も道明に相談したりはしてこなかった。
だが、今日のひろ子は容赦がなかった。
