夫婦が決めた義実家との距離

車を走らせてしばらくしてから、清美は口を開いた。

「ありがとう。私のことを守ってくれて……。子どものことも、ずっと気にしてたから、言ってくれてちょっと気持ちが軽くなったよ」

道明はゆっくりと首を横に振った。

「感謝なんてする必要はない。むしろ今まで気付かなくてごめん」

「いいの。私が黙ってたんだから。でも、お義母さんたちも今日ほどキツいことを言ってたわけじゃないの。子どものこととか今までは言ったことはなかったから」

清美がそう言うと道明は軽く息を吐いた。

「だとしても、俺はやっぱり母さんたちのことを許せないよ」

道明の言葉が傷ついていた心にしみて、また涙がこぼれ落ちてきた。

「兄さんには俺から連絡をしておくよ。俺たちがいないって知ったら驚くだろうし。あとさ、しばらく帰省はやめよう」

「え……でも……」

「休みは2人で家でのんびりするのもいいと思うんだ。もちろん、どこか旅行に出かけてもいいし」

道明の言葉に清美はゆっくりとうなずいた。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。