<前編のあらすじ>

佐藤博一(51)は、都内の人材派遣会社で営業部長を務めている。

同じく転職してきたばかりの、総務部長の堂島光一(52)と仲が良く、いつもランチを一緒にとっていた。

堂島には悩みがあった。「どこまで自由な働き方を認めるか」という社内のワーキンググループのまとめ役を担っていたが、そのミーティングが紛糾したばかりだった。

「自由な服装を認めるとともに、クールビズにもなるとして、夏場の短パン勤務について話し合ったところ、若手女性社員から「おじさんのすね毛を見たくない」と不満が噴出したのだった。

困った堂島は佐藤に、今後どうすべきか相談したのだったが……。

●前編:【「おじさんの汚い短パン姿なんて見たくない」51歳男性総務部長が矢面に立たされた「若手女性社員のおじさんバッシング」】

「自由な働き方」は重要な経営課題

「働き方を変えるワーキンググループ」の前回ミーティングが紛糾したことを受けて、ワーキンググループの構成を見直すことになった。

その結果、次回ミーティングから営業部長の佐藤も参加することになった。

経営陣は、服装の規定をもっとゆるくしたいと思っていた。冷房のコストダウンにもなるし、採用でも「自由な働き方」をアピールできるからだった。

少子高齢化にともない、どの企業も人手不足に悩んでいる。採用時のアピールポイントを増やすこは非常に重要な経営課題だった。

とはいえ、根強い反対がある中、ゴリ押しするわけにもいかない。堂島と佐藤には、管理職として、社内の不満をかわし議論をまとめることが求められていた。

たかが服装の話ではあったが、堂島は必死だった。「ワーキンググループを仕切っている堂島の調整力が低いからだ」という冷めた意見も多かったからだ。

信頼できる佐藤を参加させたのも、堂島の策略だった。

そうして万全の体制で望んだ、次回ミーティングの直後。堂島と佐藤は再び、行きつけの店でランチを取りながら、ミーティングの結果について振り返っていた。