人柄の良い創業者社長のいる会社の業績はやはり良い!?

S:企業の取材もされるとのことですが、このあたりもお聞きしたいです。企業の取材というのは、決算の内容を聞きに行くこともあると思うんですが、それ以外ではどういうタイミングで企業訪問をされるんですか。

N:いわゆる大型銘柄、大企業ですと決算の内容を受けて、実際に財務担当の役員の方やIR担当の方と、直近の業績について議論をしたり、今後の見通しについて取材の中で掘り下げていったりというようなことが中心です。
一方で中小型銘柄ですと、その取材の場に創業社長様が出てこられるケースもあります。そうなるとその会社の設立の経緯や沿革から始まって、どういったビジネスをやっていて、どんな競合がいて、どれほどの成長性があるのか議論をやっていくという――いわゆる「企業取材」と言われたときにイメージされるのはそちらに近いと思います。
5月、8月、11月、2月の頭というのがいわゆる決算繁忙期になりますので、その月の下旬とか翌月にかけて取材することが多いですね。
中小企業の場合は、決算を見に行きたいというのがそもそもの取材目的ではないので、割とタイミングにとらわれず訪ねています。

S:会社の規模によっても違うのですね。そうした企業取材の中でお差し支えない範囲で何か印象に残っているようなエピソードはありますか。

N:具体名は言えないのですが、社長様の人柄は大事だと感じたエピソードをご紹介したいと思います。
いい企業のケースですと、全国に店舗を持っているとあるサービス業の会社で、創業者の社長様は非常に真摯なお人柄で、「人がついてくるってこういう方なんだ」という印象を持ちました。そして、実際にその店舗に私自身行ってサービスを受けてみると、店舗の社員様も人柄のいい方が集まっていたんですね。その後、何年も株価を見ていると、ものすごく成長していた……ということがありました。
他方で、あまりよくなかった方のケース――とある専門領域のデータを扱うIT系の企業なのですが、創業社長様を取材したときに、業務を効率化するツールを作ろうとしているというお話の中で、「これであいつら程度でもできるようになるよ」といったニュアンスの……ユーザー、お客様、あるいは社員の方に対する見方がポロッと見えてしまったことがありました。
実際その後の株価をフォローしていくと、なかなか成長していなかったという、もちろんそれだけの単純な理由ではないと思いますが、そういったお人柄は、その後の成長に、もしかしてつながっているんじゃないかと感じたことはありましたね。

S:それは財務データだけでは見えてこないですね。残念だった例もお話いただきましたけれども、その結果として例えば組入をやめようかなとか、意思決定にもつながるということはありますか。

N:判断要素の一つとしては入ってくると思います。

S:確かに、例えばファンドマネジャーの方が取材されていて皆さん同じように思っていたら、当然その投資家にも伝わるというか、株価にもネガティブに反映されることもありえますよね。
そういうこともあるから足を運ぶということも大切にされているのですね。
 

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