インデックスには“成長企業の先取り”はできない―そこにアクティブファンドの存在意義がある

もちろん、これは時価総額加重平均型インデックスの欠点ではない。

市場で評価される企業を自然と多く組み入れ、評価が低下した企業の比率を下げていく。市場全体の判断をそのまま受け入れる仕組みだからこそ、「オールカントリー」やS&P500は長期投資の土台として機能してきた。

一方で、ルールに従って運用する以上、「まだ市場では十分に評価されていない成長企業」を先回りして組み入れたり、「割高になり過ぎた銘柄」を意図的に減らしたりすることはできない。市場の評価を忠実に反映することが使命である以上、それはインデックスの役割ではないからだ。

ここに、アクティブファンドが存在する意義がある。ファンドマネージャーが企業の成長性や競争優位性を分析し、市場がまだ十分に評価していない企業を先回りして組み入れることもできれば、逆に、過熱感があると判断した銘柄を組み入れないという選択もできる。

こうした点は、アクティブファンドが存在する理由でもある。市場がまだ十分に評価していない企業の成長性を見極め、先回りして投資したり、逆に割高と判断した銘柄への投資を控えたりできるのは、アクティブ運用の強みである。

もちろん、すべての判断が成功するわけではない。しかし、「これから伸びる国」や「長い時間をかけて構造的な成長が期待できる地域」に投資したいのであれば、インデックスだけでなく、そうした視点を持つアクティブファンドを選択肢に加える価値はあるだろう。

重要なのは、インデックスかアクティブかという二者択一ではない。市場の「現在」を取り込むのか、それとも「未来」を先取りしたいのか。自分がどの時間軸の成長に期待しているのかによって、選ぶべき手段は変わってくる。

“期待する対象”や“時間軸”目線を盛り込んで分散をアップデートする

筆者は、「オールカントリー」を始めとする従来型のインデックスを否定したいわけではない。むしろ、多くの投資家にとって資産形成の土台となる優れた選択肢だと考えている。ただ、「効率的に分散している」という言葉だけでは、その中身までは見えてこない。

分散とは、必ずしも投資先を増やすことを意味するわけではない。何に投資しているのか。そして、いつ実現する成長に期待しているのか。この2つを意識することで、「分散」という言葉の意味は一段深まるはずだ。投資先だけでなく、「期待する対象」と「期待する時間軸」を整理すること。それが、これからの分散投資をアップデートする第一歩になる。