②「リースバック」は、シニア期における「自立と選択の拡大」

リースバックは、所有不動産(自宅不動産など)を投資家や専門会社などの第三者へ売却するとともに、引き続き自宅に住み続けるための賃貸契約を締結する仕組みです。

リースバックの売却金の資金使途は自由なので事業資金としての活用も可能で、利用にあたっての年齢制限もありません。ただし、売却価格が相場よりも低くなる傾向にあることや、賃貸契約には期限が設けられることなどについて留意が必要です。

リースバックの特徴として、一括で大きな資金を得ることができる点があります。これを、シニア期の自立と選択の幅の拡張に活用することも考えられます。リースバックによってもたらされる心理的な安全性や満足感、効用としては、以下が考えられます。

•    大きな資金が得られることで、自分らしい老後プランが立てやすくなる(例:高齢者住宅への入居資金、医療・介護保険の充実など)
•    住み慣れた地域・家を離れずに生活を続けられることで、心理的な安定と社会的つながりが維持できる
•    近所付き合いや通院ルートといった地域コミュニケーションが維持できることは、高齢期では大きな安心感となる
•    住宅の維持費や相続対応などの負担が減ることで「シニア期に本当にやっておきたいこと」に集中できる(例:趣味の時間の確保、ボランティア活動、孫や親族との時間の拡大、資格取得など)

シニア期は「守る時代」という印象が強くありますが、「整える」「選ぶ」「楽しむ」時代でもあります。人生の後半戦をより自分らしく、納得できるかたちで過ごすことができるように、スマートな住まいの活用に向けた知識情報の普及、そして浸透が希まれます。

(三井住友トラスト・資産のミライ研究所 丸岡 知夫)