2026年第1四半期:史上初の6兆円超え
2026年1~3月の日本籍公募株式追加型投資信託への純資金流入額は6兆7,089億円となり、四半期ベースで史上初めて6兆円を突破しました(前年同期比約1兆4,000億円増)。1月単月では過去最高となる2兆7,558億円の純流入を記録し、年初一括買いの影響が鮮明です。
なお、注目すべきは3月の動向です。中東情勢の緊張など地政学リスクの高まりで市場が不安定化した局面でも、投資信託市場ではパニック売りに相当する資金流出は観察されませんでした。市場の急変に対して、投資家が中長期的な視点を保ち、比較的冷静に行動していることがうかがえます。
低コスト・インデックスファンドへの集中が続く
純資金流入上位には、引き続き低コストの株式インデックスファンドが並びました。1位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と2位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の合計純流入額は約1.8兆円に達し、両ファンドは四半期中に純資産総額が10兆円を突破しました。単独ファンドとして純資産10兆円を超えるのは日本初であり、NISAを軸とした長期積立需要がこれらのファンドの規模を急速に押し上げています。
一方で、資金フローの多様化も見られます。
・毎月分配型ファンド:インカム重視の投資家層が依然として存在
・金関連ファンド:地政学リスクの高まりと金価格上昇を背景に複数のファンドが上位に
・アロケーション型ファンド:分散投資を意識した動きが継続
株式型への集中は依然として強いものの、リスク分散を意識した投資行動が着実に広がっています。
テーマ型ファンド:流行の移り変わりに要注意
テーマ関連ファンドでは、構図の変化が明確です。2年前に圧倒的な人気を誇った半導体関連ファンドやインド株ファンドからは資金流出が目立つ一方、AIを支える基盤技術やインフラ関連をテーマとするファンドへの資金流入が確認されました。
このサイクルは、テーマ型ファンドに特有の資金フロー・パターンを改めて浮き彫りにしています。本来は中長期的な成長を見据えて投資する性質のテーマであっても、話題性の変化に即応して資金が短期的に移動する傾向があります。短期的なトレンドに振り回されて「高値掴み」しないよう、テーマ型ファンドへの投資こそ中長期の視点を持った投資行動が求められます。
まとめ:「分散と継続」が資産形成の軸
長期の資産形成においては、投資タイミングを過度に追求する必要はありません。長期投資では一括投資と分割投資の平均リターンに大きな差はなく、むしろ分割投資はリスクを抑える効果があります。また、低コストのインデックス・ファンドを通じた世界株式・米国株式から投資を開始することは理解できますが、過度に集中させることは留意が必要です。自身のリスク許容度に応じてアロケーション型や債券型を組み合わせた分散が、今後の不確実な市場環境においても持続的な資産形成につながります。
市場が揺れる局面でも冷静さを保ち、長期・分散・継続という原則を守ることが、NISAを真に活かす道といえるでしょう。
※著者はこの記事で言及されたいかなる有価証券も保有していません。詳細はこちらをご覧ください: モーニングスターの編集方針
