NISA買付額が過去最高を更新

金融庁の最新データによると、2025年のNISA年間買付額は18兆7,935億円となり、前年比8%増で過去最高を更新しました。2014年からの累計買付額は71兆4,295億円に達しています。年間18兆円の買付ペースが続けば、2027年末には累計100兆円突破が視野に入り、当初政府が掲げていた目標(56兆円)の2倍に迫る水準となります。

2025年の買付動向を前半・後半で見ると、上半期は市場の不確実性を背景に前年同期比4%増にとどまりました。一方、下半期は日経平均株価が5万円を突破するなど株式市場が好調に推移し、前年同期比14%増と大きく伸長しました。

つみたて投資枠が牽引するも、伸びの鈍化に注意

成長投資枠とつみたて投資枠の内訳を見ると、2025年の増加分の大半はつみたて投資枠(前年比26%増)によるものです。ただし、つみたて投資枠の増加ペースは2025年後半に鈍化しており、既存の利用者が継続投資を続ける一方、新規のつみたて投資開始者が徐々に減少している可能性を示唆しています。

2027年開始予定の「こどもNISA」を含め、新たな投資家層にいかにNISAを広げるかが、今後の重要な課題といえるでしょう。

Source: 金融庁公表データよりMorningstar Researchが作成. Data as of 12/31/2025. CSVファイルのダウンロード.

年初一括買いは本当に「正解」か

近年、NISAにおける「年初一括買い」――1月に成長投資枠の非課税枠をまとめて使い切る投資行動――が広がっています。2025年・2026年とも、1月の投資信託への純資金流入額はいずれも2兆円を超えており、この傾向はデータでも明確に確認できます。

一括投資を支持する論拠としては、「期待リターンがプラスである限り、早く投資するほうが理論上有利」「過去のシミュレーションでは一括投資のほうが積立投資を上回ることが多い」などが挙げられます。

しかし、当社の分析では、ある年に投資を行った資金については、投資期間が10年の場合、年初一括投資と年4回分割投資の平均リターンにはほとんど差がないという結果が示されています(米国株式・世界株式・日本株式のいずれでも同様)。さらに、最終結果のブレ幅(最高値と最低値の差)は分割投資のほうが小さく、リスク管理の観点から分割投資の合理性が確認されます。

長期投資を前提とするならば、年初の一括投資にこだわらず、資金を複数回に分けて投資する行動が、リスク管理の観点では望ましいのではないでしょうか。

出所: Morningstar Direct。投資資金を年初一括、または年4回(1/4/7/10月初)分割投資した場合の、その後1年および10年のリターンの平均、最高、最低。米国株式はMorningstar米国株式指数、グローバル株式はMorningstarグローバル株式指数、日本株式はMorningstar日本株式指数。全て税引前配当込み。2001年から2025年のデータでシミュレーション。運用費用は控除していない。