切れ目のない金融教育が一層重要に

さらに、金融教育の受講時期による金融リテラシー度の違いを分析した結果、「良好」層の割合は「学生時代のみ(9.7%)」よりも「社会人時代のみ(13.3%)」、そして「学生・社会人両方で受講(20.7%)」した人の方が高い傾向にありました(図表3)。

この結果から、継続的な教育の重要性が浮き彫りになっています。単発的な教育ではなく、ライフステージに応じた学びを提供することが、金融リテラシー向上の鍵となると思われます。

【図表3】金融教育受講時期別 金融リテラシー度

 

社会全体で金融教育を進める意義

本調査を通じて、金融リテラシー度が高い勤労者には、資産形成への積極性や報酬への納得感の高さなど、いくつかの特徴があることが明らかになりました。そして、金融教育の受講経験が金融リテラシー度の向上に寄与していることも確認されました。特に、学生時代だけでなく社会人になってからも継続的に教育を受けた人ほど、金融リテラシー度が高い傾向にあります。

このことから、金融リテラシー度を高めるには、単発的な教育ではなく、ライフステージに応じた継続的な学びの機会が不可欠であると考えられます。学校教育による基礎的な知識の習得に加え、社会人になってからも企業や教育機関、行政(金融経済教育推進機構J-FLEC等)が連携し、金融教育の機会を途切れることなく提供していくことが、今後ますます重要になるでしょう。

こうした取り組みが社会全体で進められることで、勤労者一人ひとりが自らの収入をより有効に活用し、将来への安心感を持って生活できるようになる一助となることが期待されます。

(三井住友トラスト・資産のミライ研究所 桝本 希)