国の年金財政検証結果が公表される

2024年7月、国の年金財政検証結果が公表されました。これは5年に1度、年金財政にかかるいろんな数値を洗い直して将来の年金制度の安定性をチェックするものです。人間でいえば5年に1度人間ドックを受けて健康診断をするようなものでしょうか。

前回より悪化しているところはないか、将来の不安要素がないか、今よりも健全化させるためにできることはないか、などチェックするわけですが、確かに人間ドックと似ています。

5年前、10年前は年金制度が不安視されており、ずいぶんメディアでも取り上げられたものですが、今回はずいぶんトーンダウンしているので、「そんなニュース見たかな?」という人も多いでしょう。

というのも「思ったより、年金制度は安定的」というのが今回の財政検証結果の数字であらわれているからです。

ニュースはしばしば「悪い情報は大きく取り上げるが、良い情報は小さくしか取り上げない」ということがありますが、年金制度のニュースがあまり大きくないということは、いいことなのかもしれません。

国のやることを疑ってだけいても幸せにはなれない

ワールドハピネスレポートという資料が毎年公表されます。世界幸福度調査などと言われ、日本はランキングがあまり高くないことが指摘されています。2024年版では51位と、G7諸国では最下位です(東南アジアでは上位ですが)。

この調査、6つの分野で調査をしランキングを決めるのですが、国への信任が日本はあまり高くないことが総合ランキングで上位に来ない理由の1つとなっています。

国のやることをしっかり監督し、不正や誤りを正していくことは大切なことですが、むやみに疑い、危ぶみ、実際以上に悪く評価していては行きすぎです。

例えば、日本の水道網が安価で安心の持てるインフラであることは世界的にも特筆するべきことです。時間が正確で、全国に移動できる交通インフラの充実も日本の良さです。

警察がしっかりしており、また国民の犯罪意識が低いことで、夜に1人で外出しても安全であることには、インバウンドで海外から来た観光客はみな驚き、感心しています。

国際的な調査ではよく、「日本は政府への信頼度が低い国」と言われていますが、「日本の当たり前のいいところ」はもっと積極的に評価し、ポジティブに受け入れてみたいところです。そうしたらもっと、ウェルビーイングの高い生活ができるかもしれません。