2人で督促状を確認

「まず、今日届いた方を開けて」

敦美が促すと、愛理は眉を寄せたまま、封筒を指先で弾くように引き寄せ、ため息とともに乱暴に封を切る。紙を引き抜いた瞬間、目が細くなる。紙を握る指に力がこもった。

「督促って書いてある。期限までに払えって」

愛理は紙をテーブルに放り投げ、椅子の背にもたれた。視線だけが彷徨い、敦美と封筒の間を行き来する。

敦美は愛理の顔を一度見てから、紙を手に取る。1通目とは違い、今回は「至急」の文字が目立ち、「期限までにお支払いが確認できない場合」の警告も強調されている。金額と期限を再確認し、紙を静かに戻した。もう、放置できる段階ではないだろう。

「払えるの?」

尋ねると、愛理は目を伏せる。

「バイト代入るし」

「それで間に合うの?」

愛理はスマホを握り直したが、画面は伏せたまま口を閉ざす。敦美は声を荒げたい気持ちを抑えた。責めても状況は変わらない。

「カード作るとき、支払いは自分で管理するって言ったよね」

「だから払うって」

「じゃあ口座見せて。本当に支払う準備があるなら、もう何も言わない」

愛理は顔をしかめながらも、スマホを開き、銀行アプリを立ち上げる。

逃げ道がないのは分かっている様子だった。数秒後、画面が敦美の前に向けられた。残高は想像以上に少なかった。

「……これで払えるって言うの」

「今月、いろいろあって」

「“いろいろ”じゃ分からない。どうしてこうなったの? 明細も見せなさい」

愛理は舌打ちを飲み込み、カードのアプリに切り替える。明細一覧が表示された瞬間、敦美の中で点と点が繋がった。複数の分割払い、異なる支払回数の履歴がずらりと並んでいる。さらにサブスクの少額決済が連続していた。