投資初心者も経験者も意識したい3つのポイントとは

――2026年に投資家が意識すべき点、注意すべき点は?

2026年の投資環境は2025年までの「政治による激動」が落ち着きを見せる一方、金利や物価の「新常態」へ適応するステージに入る。初心者から経験者まで、以下の3点を意識することが重要。

1. 「金利のある世界」での資産再配分

日本では日銀の利上げにより、預金や債券の魅力が数十年ぶりに復活。一方、米国は利下げ局面だが、インフレ再燃リスクから下げ幅は限定的との見方が有力。

注意点:過去10年の「超低金利」を前提とした投資手法はリスクが高まる。預貯金・債券・株式のバランスの再確認。

2. 為替の転換点と「時間分散」

日米金利差の縮小により、長年の円安基調が修正される可能性。

戦略:円高は外貨資産の目減り要因となるが、一度に売買せず「積立投資」を継続することで、為替変動リスクを平準化するのが賢明。

3. 2026年の注目指標・イベント

春闘(3月):実質賃金がプラスに定着するか。日本経済の自律回復の試金石。

FRB議長人事(5月):パウエル議長の任期満了に伴う後任人事は、米国の金融政策の継続性に大きな影響を与える。

米中間選挙(11月):トランプ政権の信任投票となり、政策の推進力が左右される。

第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト
永濱 利廣氏

 

早稲田大学理工学部工業経営学科卒、東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。1995年第一生命保険入社。98年より日本経済研究センター出向。2000年より第一生命経済研究所経済調査部、16年4月より現職。国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。内閣府経済財政諮問会議議員、景気循環学会常務理事、衆議院調査局内閣調査室客員調査員、跡見学園女子大学非常勤講師などを務める。景気循環学会中原奨励賞受賞。著書に『図解 社会人の基本 お金のしくみがわかるおとな事典―金融・経済「超」入門―』(監修・講談社)、『お金と経済―日本の生産性を高める仕組みと法則―』(生産性出版)、『新型インフレ―日本経済を蝕む「デフレ後遺症」―』(朝日新聞出版社)など多数。