国内トップの半導体商社、3人に1人が技術者 セキュリティ事業も好伸
マクニカホールディングスは半導体の商社です。米国メーカーを中心に半導体を仕入れ、主に国内およびアジアで販売します。また、単なる流通にとどまらず、技術商社の機能も持ちます。従業員の3分の1がエンジニアで、顧客とメーカーの双方に技術的な提案が可能です。半導体では商社として国内シェア首位、世界でも5位に位置します。
【代理店契約のある主な半導体メーカー】
・アナログ・デバイセズ
・エヌビディア
・クアルコム
・テキサス・インスツルメンツ
・ブロードコム
・マイクロン・テクノロジー
出所:マクニカホールディングス 個人投資家向け説明会資料
半導体事業は産業機器および車載向けが中心です。事業の売り上げの7割を占めるほか、技術提案の余地から利益率も高い傾向にあります。このため、業績は産業機器や車載の市場影響を強く受けます。25年3月期は中国経済の低迷から産業機器向けが大きく減少し、全体でも大幅な減益となりました。
半導体に続く第2の柱がサイバーセキュリティ事業(旧・ネットワーク事業)です。海外ITベンダーの一次代理店として、システム会社といった二次代理店を通じて製品を提供します。主な商材はネットワーク関連のソフトウェアで、セキュリティやデータおよびAI、DX支援などの製品を販売します。
主力は米クラウドストライクの製品です。同社はサイバーセキュリティの大手で、総務省によれば世界5位のシェアを持ちます(情報通信白書2024年版)。マクニカホールディングスは、13年に世界で初めてクラウドストライクと代理店契約を結び、国内代理店で最大のシェアを獲得しています。
クラウドストライク製品の売り上げは、同社が米ナスダック市場に上場した19年以降に特に急伸しており、事業全体の売上高は25年3月期までの5年間で2.5倍に拡大しました。半導体事業が落ち込むなかでも利益を伸ばし、全体のカバーに貢献しています。

