11/3週のポイント
来週の予定を確認しましょう。来週は7日に米雇用統計を控えていますが、政府機関が閉鎖されたままとあって発表されるのか、不確実です。このためISMやADPなど民間から発表される指標で米経済を見て行くことになります。ただ、先月のADPでは雇用者の伸びがマイナスでした。市場も労働市場の悪化をある程度は織り込み済みと考えられ、よほど深いマイナスの値とならない限り、ドル安圧力は限られそうです。(スライド10)
それでは来週のポイントです。引き続き円安とドル高によって、ドル円の155円台の回復も見込めます。ただし、ベッセント財務長官の円安けん制が意識され、ドル円の上値は次第に重くなりそうです。この為、円安の主戦場はクロス円となりそうです。
ただ、ドルの立ち位置が変化した結果、クロス円の上昇も緩やかとなりそうです。例えば、円安かつドル安の場合、ユーロやスイスフランといった他通貨が相対的に上位に押し上げられます。その他通貨と円の強弱の格差が大きく広がる結果、クロス円は勢いよく上がります。
一方、今週のように円安ではあってもドルが堅調に推移する場合、その他通貨がいくらか下に押し下げられる結果、他通貨と円の相対的な強弱の格差が縮まります。その結果、クロス円の上昇は緩やかとなります。来週も依然として円安圧力が意識されそうですが、ドル円の上値はやや重く、クロス円の上昇ペースも鈍ると考えられます。(スライド11)
