ペアローンの利用は首都圏だけじゃない

次に、住宅ローンの借入形態について見てみましょう。単独ローンとペアローンの利用状況を比較したところ、首都圏ではペアローンの利用が約3割と最も高い結果となりました【図表3】。

ただし、ペアローンの利用は首都圏に限った話ではなく、中京圏やその他の地域でも約2割が利用しており、全国的に一定の広がりを見せています。一方で、近畿圏では単独ローンの利用が約9割と非常に高く、先ほどの若年層の購入傾向と合わせて、「若いうちから一人でローンを組む」という価値観が根付いている可能性も考えられます。

【図表3】住宅ローン借入形態

 

*「わからない、覚えていない」除く

金利タイプにも地域差が

最後に、金利形態の選択傾向についてです。3大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)では、変動金利を選ぶ方が7割を超えており、借入時点での金利の低さを重視する傾向が強く見られました【図表4】。

一方で、3大都市圏以外の地域では、変動金利の選択率が約6割にとどまっており、固定金利を選ぶ方が比較的多い傾向にあります。これは、住宅価格が3大都市圏と比較して抑えられているため、ゆとりある借入計画が立てやすいことや、長期的な返済計画を重視する、といった地域性が反映されている可能性も考えられます。

【図表4】住宅ローン金利形態

 

*回答者:住宅ローンを現在利用している方 *5.0%未満はグラフ内表記省略 *「その他・わからない」除く

今回は、住宅購入者の年代や住居形態、住宅ローンの借入方法、金利タイプの選択傾向について、エリア別にご紹介しました。地域によって住宅購入のスタイルや価値観が異なることが、調査結果からも明らかになっています。

次回のコラムでは、年収に対する返済比率や返済期間の違い、そして各地域の傾向をまとめた分析をお届けします。住宅購入を検討されている方にとって、より具体的な判断材料となる内容ですので、ぜひご覧ください。

●参考記事:住宅ローンが与える家計への影響はどれくらい? 多くの世帯が選択している“無理のない借り方”

(三井住友トラスト・資産のミライ研究所 桝本 希)