前回のコラムでは、全国的に住宅価格が上昇していること、そして住宅ローンの借入額も高額化・長期化している傾向についてご紹介しました。今回は、ミライ研が実施した調査結果をもとに、エリア別の住宅ローン利用実態について詳しく見ていきます。
●前回記事:【首都圏だけじゃない!? 住宅価格は全国的に上昇傾向…背景にある「複合的要因」とは】
若い世代が住宅購入の中心に
まず、住宅購入者の年代についてです。調査対象は、過去5年以内(2020年~2025年)に住宅ローンの借入を開始した方々です。どのエリアでも、20代・30代の若い世代が過半数を占めており、住宅購入の中心層となっていることがわかります【図表1】。
特に近畿圏では、20代での住宅購入が約4割と、他の地域よりも若年層の割合が高い傾向が見られました。地元に就職し、親族が近くに住んでいるなど、将来的にもその地域に住み続ける意向が強い方が多いと考えられます。こうした地域性は、住宅購入のタイミングにも影響を与えていそうです。
【図表1】住宅購入者の年代
*5.0%未満はグラフ内表記省略 *表内年代は、アンケート回答時の年齢
実は「戸建て」が主流
メディアでは「新築マンションの分譲平均価格○○万円超え」といった報道が目立ちますが、実際の住宅購入者が選んでいる住居形態は「戸建て」が圧倒的多数でした【図表2】。
首都圏ではマンションの割合が比較的高いものの、全体で見ると約7割が戸建てを選択。首都圏以外では8割以上が戸建てという結果となっており、報道でよく目にする「新築マンション」は、実際には少数派であることがわかります。土地付きの住宅を選ぶことで、将来的な資産形成や家族構成の変化にも柔軟に対応できるという点が、戸建て人気の背景にあるのかもしれません。
【図表2】購入した住居形態
*5.0%未満はグラフ内表記省略


