日経平均が最高値の更新を続け、日本の株式市場は大きな盛り上がりを見せています。

ただ、もちろんすべての企業が好調なわけではなく、株価を落としている企業も当然存在します。

どうすれば、良い銘柄を選ぶことができるのでしょうか。プロも行う基本的な企業分析の方法を、投資顧問会社の代表で人気YouTuberの栫井駿介氏が解説します。(全4回の4回)

※本稿は、栫井駿介著『1社15分で本質をつかむ プロの企業分析』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を抜粋・再編集したものです。

身近な企業の分析から始めるべき

そうは言っても、どんな企業を分析したらよいか分からないと感じる方も少なくないのではないでしょうか。

確かに、最初から「最高の企業」を見つけ出そうとすると構えてしまいます。とはいえ、よいとも思えない企業を「推す」のはちっとも楽しくありませんよね。

そこでおすすめしたいのが、自分にとって身近な企業をまずは分析してみることです。身近な企業であれば、そこが取り扱っている商品やお店、従業員の様子を把握しやすいはずです。3C分析を行う時にも、自分が「顧客」であるならば、3つの要素のうち1つはすでに形作られているでしょうか。

例えば、洗剤などの日用品を製造・販売している「花王」が身近な方は多いと思います。普段から花王の商品を買っているとしたら、あなたがなぜそれを買うのか、スーパーやドラッグストアの棚のどれぐらいを占めているのか、価格は上がったか下がったかなどを日常的に感じることができると思います。それこそまさに、企業分析の出発点です。