机上の投資理論と実際にリターンを出すことは別物

最後に補足をしておきます。投資となると、ポ-トフォリオを組めとか為替ヘッジを考えろとか言われますが、毎月2〜3万円程度のつみたて投資である限り、そんなことを考える必要は一切ありません。投資金額をコントロールすれば、それで十分です。ポ-トフォリオは全資産を合計した上で、結果として所与の資産配分になるものです。

為替ヘッジも、投資金額が少額であればヘッジするコスト分の期待収益が減りますので、あまり意味はありません。

机上の投資理論と実際にリターンを出すこととは、全く別物だとご理解ください。なぜなら、自宅を買う際、将来の値下がりを恐れて不動産投資信託(J-REIT)を空売り(株式を借りて売却すること)したりする人はいませんよね。

株価は引き続き軟調ですが、コロナ禍が終息し、新たな希望が芽生えてくると株価やその他の資産価格は必ず上昇に転じます。ただし、いつかは分かりません。こうした環境下、相場を先読みするというよりは、一定金額を定期的に投資し、投資タイミングを選ばず、本多翁のように「物と金の適時交替」をつみたて投資で継続していくのが賢者と言えるでしょう。

誰もが本多翁になることはできませんが、誰でもその教えを踏襲することは可能なのです。