今期も最高益の計画 投資家向け売却が好調、海外事業も赤字縮小
最後に業績の見通しを確認しましょう。
今期(26年3月期)は増収増益を計画します。主力の渋谷エリアはオフィスの需要が強く、また商業施設もインバウンド需要からテナント売り上げが伸長する想定です。また、投資家向けの不動産売却も引き続き好調を見込んでおり、利益の押し上げを予想します。計画どおりなら、利益は前期に引き続き過去最高を更新します。
【東急不動産ホールディングスの業績予想(26年3月期)】
・売上高:1兆2700億円(+10.4%)
・営業利益:1530億円(+8.7%)
・純利益:850億円(+9.6%)
※()は前期比
※同第1四半期時点における同社の予想
出所:東急不動産ホールディングス 決算短信
第1四半期は順調な滑り出しとなりました。売上高は前年同期比で7.8%増、営業利益は同30.3%増です。不動産市場が堅調で、物件の仲介事業や投資家向け売却が好調でした。通期予想に対する進捗率は売上高が22.7%、営業利益が26.9%と、消化も比較的順調です。
決算の内容から、今期の見通しはおおむね明るいようです。6月末でオフィスおよび商業施設の空室率は0.3%と極めて低く、投資家向け売却も計画の5割が契約済みです。また、戦略投資セグメントの海外事業は、米国を中心に赤字が縮小しました。
まだ第1四半期を終えたところですが、今期も順調な成長が期待できそうです。中間決算は11月中旬に公表される予定です。