配当性向・下限配当を上方修正 総還元性向50%を新設
三菱製鋼の株価が堅調です。トランプ関税ショックで2025年4月には1208円まで売られたものの、比較的早く値を戻し、同年6月には年初来高値となる1849円まで上昇しました。直近5年では3.09倍に値上がりしており、日経平均株価(同1.82倍)のほか、同業の特殊鋼で最大手の大同特殊鋼(同1.85倍)も上回っています。
【三菱製鋼の株価チャート(過去5年間)】
・株価:1723円(2025年9月1日終値)
堅調な株価は、株主還元の拡充も背景にあるでしょう。今期(26年3月期)の配当性向は従来の30%から40%へ、1株あたりの下限配当は同64円から80円へそれぞれ引き上げました。配当利回りは4.64%と、東証プライム市場の加重平均2.22%(2025年8月)を大きく上回ります。さらに、新たに総還元性向50%以上を目指す方針も設定したことから、自社株買いによる還元も見込まれます。
【三菱製鋼の予想配当利回り(26年3月期)】
・予想配当金:80円
・予想配当利回り:4.64%
出所:三菱製鋼 決算短信
とはいえ、三菱製鋼は数年前には無配の期間もありました。同社はなぜ高配当銘柄へと転身しつつあるのでしょうか。