9年ぶり高値 業績と配当金の上方修正で買い集中

日本たばこ産業(JT)の株価が再び高値を更新しています。2024年6月の高値4622円のあとは下落トレンドとなっていました。同年8月の日本株市場の急落では一時3453円まで、25年4月のトランプ関税ショックでは一時3761円まで売られます。

以降は反発を迎えます。特に25年7月末に今期(25年12月期)の中間決算を公表すると、株価は急騰しました。通期の業績予想を上方修正したことから、買いが集まったと考えられます。8月には上場来高値となる4886円まで上昇しました。4800円台は、16年3月以来およそ9年ぶりです。

【日本たばこ産業の株価チャート(過去5年間)】
・株価:4764円(2025年9月22日終値)

日本たばこ産業の株価の動きをグラフで表した図表(過去5年間)
 
出所:Tradingview
 

中間決算では予想配当金も上方修正しました。直近の予想(25年2月公表)で194円としていた1株あたり配当金は208円に増額します。今期は増配しない予定でしたが、一転して前期比14円増へ引き上げます。増配は23年12月期以来2期ぶり、配当利回りは4.37%です。

【日本たばこ産業の予想配当利回り(25年12月期)】
・予想配当金:208円
・予想配当利回り:4.37%

出所:日本たばこ産業 決算短信

日本たばこ産業は最近、大きな動きが2つありました。カナダ訴訟の和解と、米国への本格進出です。それぞれ要点を押さえましょう。