トヨタグループ最古参の一角 自動車用シートで世界的

トヨタ紡織は自動車向けの車体部品メーカーです。トヨタ自動車の持分法適用会社であり、売り上げの7割がトヨタグループに由来します。豊田自動織機と同じく、旧・豊田紡織を源流に持っており、グループでは最古参の一角です。

主要製品はシート(座席)とドアトリム(ドア内貼り用パネル)です。いずれも国内は首位、世界でも上位のシェアを握ります。大企業が多いトヨタ系の自動車部品メーカーのなかでも規模は比較的大きく、売り上げは御三家(デンソー、アイシン、豊田自動織機)に次ぐ水準です。

【主な自動車部品メーカーの売り上げ(25年3月期)】

・デンソー:7兆1618億円
・アイシン:4兆8961億円
・豊田自動織機:4兆850億円
・トヨタ紡織:1兆9542億円
・豊田合成:1兆598億円
・小糸製作所:9167億円
※小糸製作所は日本基準、その他は国際会計基準
※豊田自動織機および小糸製作所は売上高、その他は売上収益

出所:各社の決算短信

トヨタグループの展開に合わせ、トヨタ紡織の事業も海外が中心です。売り上げの過半は海外から得ており、利益は中国およびアジアが大半を占めます。米州(北中南米)は、売り上げは大きい一方、非効率な物流などから苦戦しており、足元は赤字です。

【セグメント売上収益(25年3月期)】

・日本:8634億円
・北中南米:4840億円
・中国:2221億円
・アジア:2694億円
・欧州・アフリカ:1154億円
※「アジア」は旧「アジア・オセアニア」。豪子会社の非連結化に伴い25年3月期にセグメント名称変更

出所:トヨタ紡織 決算短信

トヨタ紡織のセグメント営業利益(2016年3月期~2025年3月期)
 
出所:トヨタ紡織 決算短信より著者作成
 

なお、自動車向け以外の製品も手掛けます。航空機向けシートは15年に初めて参入し、21年には米ボーイングのカタログシートに認定されました。また、13年には鉄道車両シートも初めて受注しています。