実際にどれくらい貯蓄に差が出るのか

調査では、「不慮の事態に備える」と答えた人について「予備的貯蓄をしている人」と定義し、年齢や世帯収入などの条件を考慮した上で貯蓄率を比較した。その結果、予備的貯蓄をしている人は、していない人よりも平均して約1%ポイント多く貯蓄していることが分かった。

特に一人暮らしの人では、その差が約2%ポイントとさらに大きくなっている。これは一人暮らしの人が病気や介護が必要になったときに頼れる人がいないかもしれないという不安を強く感じている可能性があるためだろう。

年々、一人暮らしの人が増えていることからこうした不安が全体の貯蓄傾向にも影響を与えている可能性がある。

予備的貯蓄動機の貯蓄率への影響

予備的貯蓄動機の貯蓄率への影響を表した図表
 
出所 内閣府「令和7年度年次経済財政報告」