増収率上方修正の「農林水産」「生活関連サービス」「学術研究、専門・技術サービス」
以下では、10月下旬から本格化する四半期決算で、今期売上高計画の上方修正が期待される業種を見通してみたい。下表は業種別売上高計画を前年比と前回調査からの修正率で比較したものである。

結果を見ると、25年度は「石油・石炭」「鉄鋼」「非鉄金属」「鉱・採石・砂利採取」「建設」「電気・ガス・水道」以外の業種で増収計画となっている。
こうした中で、前年比の上方修正幅が大きい業種は「農林水産」「生活関連サービス」「学術研究、専門・技術サービス」「娯楽」「運輸・郵便」となっている。
なお、「生活関連サービス」はクリーニング、理髪店、美容室、エステティックサロン、浴場業など、清潔保持やリラックスを目的とした身の回りのサービスや、旅行代理店、葬儀屋、結婚式場業、物品預かり業、家事サービス業などの生活支援サービス等が該当する。また、「学術研究、専門・技術サービス」は、法律、財務、会計に関する事務や相談、建築設計、測量、獣医学的サービスなどの専門的な技術サービス、コンサルティング業、デザイン業、広告業、商品検査、計量証明、写真制作、翻訳業、通訳業、不動産鑑定業などが含まれる。
まず「農林水産」については、天候不順などに伴う農産品価格上昇の影響が寄与した可能性が示唆される。一方、「生活関連サービス」「学術研究、専門・技術サービス」「娯楽」「運輸・郵便」については、人手不足に伴い人材確保のコストが高まることで値上げが進んでいることが示唆される。加えて、「生活関連サービス」「娯楽」「運輸・郵便」については、大阪関西万博やインバウンドをはじめとした旅行・観光需要の予想以上の拡大も寄与していることが推察される。