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要旨
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2025年7-9月期の法人企業景気予測調査を見ると、25年度の収益計画は売上高計画が小幅下方修正も、経常利益計画は製造業で減益幅が拡大の一方で非製造業は減益幅縮小。
増収計画の上方修正率が高い業種は「農林水産」「生活関連サービス」「学術研究、専門・技術サービス」「娯楽」「運輸・郵便」。「農林水産」については、天候不順などに伴う農産品価格上昇の影響が寄与した可能性。「生活関連サービス」「学術研究、専門・技術サービス」「娯楽」「運輸・郵便」は、人手不足に伴い人材確保のコストが高まることで値上げが進んでいる可能性。「生活関連サービス」「娯楽」「運輸・郵便」は、旅行・観光需要の予想以上の拡大も寄与している可能性が推察される。
経常利益計画が大幅上方修正されている業種は「農林水産」「電気・ガス・水道」「職業紹介・労働者派遣」「その他サービス」「繊維」。「農林水産」は、価格転嫁が進んでいることが利益の上方修正に寄与している可能性。「電気・ガス・水道」「繊維」は商品市況落ち着きを受けた投入コスト減や業務リストラ等が寄与している可能性。「職業紹介・労働者派遣」は人手不足に伴う企業の人材獲得需要が想定以上に旺盛となっている可能性。「その他サービス」は耐久消費財や資本財の価格上昇などから自動車買い替えや設備の更新サイクルが長期化することで修理の需要が増えていることが推察される。
大企業のより直近の動向が反映される9月日銀短観の業種別収益計画(10月公表)も今期業績見通しを読み解く手がかりとして注目したい。
10月の決算発表前に要チェック!専門家が予測する「経常利益・大幅上方修正」が期待できる5セクターと、その根拠



国内外を覆う不確実性によって景気や市場を見通すことは困難を極めています。そこで国内屈指の著名エコノミストである、第一生命経済研究所の経済調査部で首席エコノミストの永濱利廣氏に、経済・市場の今後を読み解く手がかりになるテーマについて解説していただきました。※本稿は、9月11日掲載の第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト、永濱 利廣氏のレポート「景気予測調査から見た四半期決算見通し~「農林水産」「電気ガス水道」「職業紹介・労働者派遣」で利益計画上方修正の可能性~」を抜粋・再編集したものです。
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