「旅行やレジャー」、大きな低下幅
この傾向はコロナ禍を経て物価高が続く最近の動きなのだろうか。6年前の19年調査時と比較してみよう。前述どおり両調査は調査項目の違いなどから直接的な比較が難しい点はあるものの、所得が増加した場合に食費や外食を増やしたいとの割合は19年時点よりも高まっている。特に「食費(外食以外)」の回答割合の上昇は40代以上で顕著だ。
また、「旅行やレジャー」の割合はどの年代でも低下しており、特に20代と30代で低下幅が大きい。
一方で「株式などへの投資」は増やしたい
一方、どの年代でも増えているのが「株式などへの投資」だ。特に30代、40代を中心に増加している。24年の新NISAの導入も影響してか「貯蓄から投資へ」という動きが中堅層の年代を中心に浸透しつつあるのかもしれない。
なお、「貯蓄」と回答した人の割合は全年代で大きく低下しているが、「貯蓄から投資へ」という動きを示す可能性がある一方で、19年調査で「貯蓄」と回答していた人の多くが25年調査で追加された「特に増やすものはない」に移行した可能性もあるため、解釈には注意が必要だ。
所得が増えた場合の消費は、各自の経済状況や価値観などによっても違うだろう。物価高の影響もあり、多くの人が食費を優先する傾向にあるが、あなたならどのようなことにお金を使いたいだろうか。
調査概要 白書名:「令和7年度年次経済財政報告」 調査主体:内閣府 公表日:2025年7月29日