今期は保守的ながら最終増益の計画 翌期は純利益6500億円へ
続いて業績の見通しを確認しましょう。
まずは今期(26年3月期)です。見通しは純利益のみ開示しており、前期比1.4%増の5700億円を見込みます。前期に低調だった鉄鋼や建設機械、農業事業が改善することや、引き続き非資源の好調を予測します。なお、各事業の予想純利益の合計は6100億円ですが、事業環境の不確実性を鑑み、連結では保守的に400億円低く見積もった結果、5700億円となっています。
【住友商事の業績予想(26年3月期)】
・純利益:5700億円(+1.4%)
※()は前期比
※同第1四半期時点における同社の予想
出所:住友商事 決算短信
今期は第1四半期まで決算を公表しています。純利益は1709億円と、前年同四半期比で35.3%増、通期予想に対する進捗率が30.0%と、好発進となりました。市況の下落などから資源ビジネスが減益となった一方、米国のタイヤ事業で会社売却益を計上したほか、不動産で大口案件が集中し、利益が拡大しました。
次に翌27年3月期の見通しです。住友商事は中期経営計画において、27年3月期に純利益6500億円の目標を掲げます。優位性のある成長事業(鉄鋼、リース、建設機械、不動産など)へ経営資源を集中させ、利益の成長を目指します。なお、株主還元では累進配当も目標に定めています。
【中期経営計画の主な財務目標(~27年3月期)】
・純利益:6500億円(25年3月期実績:5619憶円)
・ROE:12%以上(同12.4%)
・総還元性向:40%以上(同40.5%)
・財務健全性:株主還元後フリーキャッシュ・フロー黒字
出所:住友商事 中期経営計画