もうひとつは、企業の期待する役割の違いです。

ミドル・シニアは若手とは異なり、ある程度完成されたスキルを保有しており、そこを期待して企業側も採用します。その前提ですと、どのようなスキルの人を採用すべきなのか、どのようにスキルを見極めるのかが問題になります。特に社内にない機能を導入しようとすれば、見極めのポイントに関する経験知もありません。さらに年功序列的な制度が通常でしたので、階層や既存社員との関係性を考慮した配置にしなければなりません。これらを考慮しなければならないことが、採用を躊躇させる要因になっています。

また、ミドル・シニアは、先に述べたとおり即戦力としての期待から、若手に比べて高い報酬となることが一般的です。若手であれば2名採用できるような金額になることもあり、採用する側も〝覚悟〞が必要となります。

●第4回:ミドル・シニア人材の転職はマッチングがカギに 40代以上の人材がもつ、若手にはない価値とは?

『定年がなくなる時代のシニア雇用の設計図』

 

著者名 宮島忠文・小島明子
発行元  日本経済新聞出版
価格 2640円(税込)