分散投資の効果

調査ではいくつかの金融リテラシーに関する質問を行っている。例えば「1つの企業の株式を購入する場合と、複数の企業の株式に投資する投資信託を購入する場合では、一般的に、どちらが損益の振れ幅が小さいと思いますか」という分散投資の効果を理解しているかを問う質問だ。

金融リテラシーに関する質問結果を表した図表
 
出所:金融庁「令和6年リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」
 

選択肢は「複数の企業の株式に投資する投資信託を購入する場合」「1つの企業の株式を購入する場合」「どちらともいえない」「分からない」の4つ。

正解は「複数の企業の株式に投資する投資信託を購入する場合」だが、この問題の正答率は以下のとおりだった。

「分散投資の効果」正答率

・投資経験者:76.3%
・投資未経験・検討者:55.1%
・投資未経験・未検討者:23.9%

投資経験者の4人に3人以上が正解した一方、投資未経験・未検討者では正答率が23.9%にとどまり、中でも「分からない」と回答した人は61.3%に上った。

年代別に見ると、投資経験者では60代の正答率が最も高く79.9%、次いで50代の78.3%だった。最も低かったのは若年層である18~29歳で69.9%となっている。

投資未経験・検討者でも同様に60代の正答率が59.0%と最も高く、反対に最も低かったのは30代で48.9%だった。投資未経験・未検討者の正答率は60代が34.5%と最も高く、18~29歳が14.2%と最も低い。

分散投資の理解に関しては投資未経験・未検討者の正答率が如実に低い点が気になるところだ。将来の資産形成にも影響する懸念がある。今からでも遅くない。少しずつでも金融知識を身に付けるべく行動していくことが望まれる。