◆「ピクテ・ゴールド」と「三菱UFJ純金ファンド」の違いは?

6月の売れ筋ランキングで第3位にランクインした「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は「ピクテ(CH)プレシャス・メタル・ファンド - フィジカル・ゴールド」という投資信託に投資することで実質的に金の現物に投資し、ドル建ての金価格におおむね連動することを目指している。一方、第4位にランクインした「三菱UFJ純金ファンド」は、純金上場信託(現物国内保管型)(愛称:「金の果実」)を主要投資対象として実質的に金の現物に投資し、国内の大阪商品取引所における金1グラムあたりの先物価格をもとに現在価値として算出した理論価格に連動する運用成果をめざす。

片方がドル建ての金価格、もう一方が国内の金価格と連動をめざす指標は異なるが、ともに金の現物に投資することは変わらない。そして、金の現物とは世界のどの取引所で取引されていても最終的に1つの価値(価格)に収れんするものだ。その結果、両ファンドの基準価額は、重なり合うように動いている。価格が瞬間的に大きくかい離した2024年4月は、金価格が史上最高値を更新し続ける中で、ドル円が一時154.79円と1990年6月以来約34年ぶりの円安・ドル高水準になるなど、為替相場が不安定な動きになっていた。34年ぶりというような極端にまれな変化があると、取引所間で一時的な価格のブレが生じることがあるものの、その後、速やかに同じような価格の水準に戻っている。ファンドは異なるものの、その価格推移はほとんど変わらないことを確認しておきたい。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩