ドル離れ沈静化か

ここで米国の10年物タームプレミアムをみておきましょう。これは、いわゆる悪い金利上昇の一つですが、少しピークアウトした動きと映ります(7ページ)。

 

米国では既に株式相場が4月以降の下げ幅を取り戻しつつあり、債券についても6月12日の30年物国債入札で旺盛な需要が確認されました。先週の動画では、為替市場だけドル安が進むことはあり得るのか、との疑問を投げかけましたが、タームプレミアムを見る限り、やはりドル離れやドル資産売りといったテーマが下火になりつつあると見受けられます。足もとの地政学リスクや原油価格上昇というサポート要因に加え、ドル離れといったテーマが沈静化しつつある動きもドルを支えした可能性がありそうです。

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22日に起こった米国のイラン核施設への攻撃の余波など後編:「スイスフラン円が示す、金融政策が真逆でもドル安円高とはならないわけ」でさらに細かく分析していく。

 

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