FOMC タカ派受け止めの要因

今回のFOMCがタカ派と受け止められた要因にドットチャートも挙げられます。これは年8回開催されるFOMCのうち3月、6月、9月、12月の会合で示される参加者の無記名投票による各年末の適切な政策金利の散布図です。

 

今回は2025年末に関して、政策金利の据え置きと回答した人数が3月の4人から7人に増えました。さらに、2026年末の利下げについても、2回から1回に減っており、ドルのサポートになったと考えられます。

今週のドル上昇に影響した可能性があるもう一つの要素が米国の税制法案の中にある第899条に関する報道です。この第899条は米国企業に対して不公正な課税を行っているとみなされる国に所属している企業や個人、政府系ファンドなどが米国内で得た利子、配当、キャピタルゲインなどに対して最大20%まで税金をかけるというものです。

第34回ではこれが嫌気されてドル建て資産離れが進むのではないかという懸念についてご紹介しました。今週は、その法案について米国の上院で2027年以降に延期されること、最高税率を20%から15%に引き下げる内容で審議入りしたことが報道されました。これは言ってみればドル資産離れの鎮静化をサポートする報道です。これも今週のドル高に影響した可能性があると思われます(6ページ)。

出所:内田氏