第36回マーケットトークです。
日銀政策決定会合とFOMCを控えています。今回は日米金融政策の注目点をメインテーマに、ドル円相場の振り返りと、ドル安の持続性を見る上でユーロドルの注目点、そして6月16日週(以下:来週)の注目ポイントをご紹介していきます。

6月9日週(以下:今週)のドル円は6月6日に発表された米国雇用統計の非農業部門雇用者数で予想ほどの減少が見られなかったことから、145円台まで上昇した流れを受け継ぎ、144円台後半でスタートしました。しかし、細かく見ると雇用統計はそれほど強くありませんでした。そのことから144円近辺まで下がったのち、じり高に推移しました(2ページ)。

背景には米中貿易協議進展への期待があります。関税をめぐる緊張が和らぎ、ドル安とリスク回避の円買いの双方が和らいだ結果、ドル円は6月11日に145円台半ばまで上昇しました。しかし、米国の5月消費者物価指数(CPI)の伸びが前月比でプラス0.1%と予想を下回りました。これを受け、若干ですが米国の利下げの織り込みが高まり、ドルが下落しました。12日に入り、米中貿易協定が一旦合意に達したと報道されましたが、具体策に乏しく、今後の追加交渉の必要背性も感じさせる内容でした。結果的にドル円の下落材料となりました。