【東海】賃金とともに物価も上昇、旅行関係からは好景気の声
東海の2025年4月の景気の現状判断DIは42.6と、前月差はマイナス2.1。なお、全国平均の42.6と同じだった。
2025年4月景気の現状判断DI
東海42.6(前月差マイナス2.1)
全国42.6(同マイナス2.5)
家計と企業、そして雇用に関する景気の現状について東海の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。
家電量販店「4月の後半にエアコンが動き始めたが、全体的に目的を持って来店する客がほとんどで、その分しっかりと商品や価格を調べてきており、納得いく価格でないとなかなか購入に至らない」(家計動向関連…判断:▲やや悪。コメントより抜粋、以下略)。
輸送業「賃金は上昇しているといわれるが、同時に物価も上昇しているため実感がない。個人消費も伸びていないため、企業の物量は鈍化傾向」(企業動向関連…判断:□不変)。
民間職業紹介機関「米国からの追加関税施策の影響により、採用を手控える法人側の動向が見られる」(雇用関連…判断:□不変)
なお、その他の特徴コメントとして、旅行代理店からは景気が良いとの声があった。
旅行代理店「航空運賃、観光地の宿泊費やバス代などが高騰しているが、客もそれを理解しており、旅行単価の上昇につながっている」(判断:◎良)
【東海の景気先行きは?】インバウンド好調継続、公共事業は予算減
東海の景気の先行きについて景気ウォッチャーたちはどう見ているのか。4月の景気の先行き判断DIは39.4と、前月差マイナス3.3。なお、全国平均の42.7と比較すると3.3低い。
2025年4月景気の先行き判断DI
東海39.4(前月差マイナス3.3)
全国42.7(同マイナス2.5)
家計と企業、そして雇用に関する景気の先行きについて東海の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。
コンビニ「インバウンドは引き続き好調を維持しており、この状況が大きく変動する要因がない」(家計動向関連…判断:□不変)。
建設業「公共の仕事について、予算が前年度や前々年度に比べて下がっている。物価は変わらず高いため、設計単価が上がらない。最低限、物価の上昇分だけ値上げしても会社としての利益は上がらず、景気が良くなる実感はない。軽微な作業はあっても大きな仕事になると見積りで止まっている」(企業動向関連…判断:□不変)。
その他の特徴コメントとして、一部からは先行きやや良好の声が聞かれた。
一般機械器具製造業「米国の関税方針が定まり、先の予測ができるようになれば、現在止まっている引き合いが動き出す」(判断:○やや良)。
●気になる地域ごとの景気動向は? 後編「北陸・近畿」の景気の現状と先行きは? 好転を見込む北陸、近畿は万博に期待も忍び寄る影とは【2025年5月公表最新調査】にて詳報する。
調査概要 調査名:景気ウォッチャー調査(令和7年調査結果) 調査主体:内閣府 調査対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、甲信越、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄2050人 実施期間:毎月25日~月末