【北陸】能登半島地震の復興はまだ先も、IT求人やプチぜいたくに光明

2025年5月12日に公表された北陸の4月の景気の現状判断DIは39.8と、前月差マイナス9.7。前月差で見ると、全国12地域で最も低かった。なお、全国平均の42.6と比較すると2.8低かった。

2025年4月景気の現状判断DI 

北陸39.8(前月差マイナス9.7)
全国42.6(同マイナス2.5)

家計と企業、そして雇用に関する景気の現状について北陸の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。

百貨店「米国の追加関税による先行きの不透明感からか、これまで堅調に推移し店の売上全体をけん引してきた富裕層による高額品の購入にブレーキが掛かっている。円高傾向の影響で、今まで好調だったインバウンドの売上も低迷しているため、ダブルパンチで厳しい状況」(家計動向関連…判断:▲やや悪。コメントより抜粋、以下略)。

食料品製造業「能登半島地震で被災し多くを失って以降、復旧は進んでいるが、復興とは言い難い。企業の機能はおおむね回復しているものの、ほとんどのカテゴリーで受注数は震災前にはるか及ばない状況が続いている」(企業動向関連…判断:▲やや悪)。

民間職業紹介機関「人手不足感が継続しており、不人気の業界、特に中小企業は常に募集しているものの、人が集まらない状況。求職者は高齢者が多く、求人企業とのマッチングが難しい」(雇用関連…判断:□不変)

その他の特徴コメントとしては、精肉店の景気ウォッチャーから切実な声があった。

一般小売店[精肉]「様々な物の価格が上がっているため、贈答用商品の販売量が減っている。自分たちで消費する分に関しても単価の高い牛肉から安い豚肉、鶏肉へシフトしている」(判断:▲やや悪)

●前編「甲信越・東海」景気の現状と先行きは? “推し活”需要で客数増の甲信越の業態、東海で好景気の業種とは【2025年5月公表最新調査】

【北陸の景気の先行きは?】全国の先行きDIより0.3高い見込み

北陸の景気の先行きについて景気ウォッチャーたちはどう見ているのか。4月の景気の先行き判断DIは43.0と、前月差マイナス3.4。なお、全国平均の42.7と比較すると0.3高い。

2025年4月景気の先行き判断DI

北陸43.0(前月差マイナス3.4)
全国42.7(同マイナス2.5)

家計と企業、そして雇用に関する景気の先行きについて北陸の景気ウォッチャーたちの代表的なコメントを見ていこう。

家電量販店「エアコンが売れてきたが購入単価が下がっている。さらなる物価上昇に備えて、予定より前倒しで取り付けを考える客が増えている」(家計動向関連…判断:□不変)。

繊維工業「米国政権の関税引き上げの影響により、今後の受注減少や取引先からの値下げ圧力を懸念する声を聞く」(企業動向関連…判断:▲やや悪)。

人材派遣会社「求人数および求職者数は若干増加気味だが、アンマッチが続き、人手不足感が否めない。IT系の求人数は依然として安定」(雇用関連…判断:▲やや悪)。

その他の特徴コメントとして、消費の行方が見通しづらいと聞かれた。

ショッピングセンター「消費マインドの低下がみられるものの、プチぜいたくによる消費は継続しており、今後の動きは見えにくい」(判断:□不変)

現状・先行き判断DI(北陸)の推移(季節調整値)図表
出所:内閣府