成長を支える「ユーバンス」とは 高成長市場で世界3位を目指す
事業の整理を進める一方で、富士通が注力するのがサービスソリューション事業です。サービスソリューション事業は、特に「Fujitsu Uvance(フジツウ・ユーバンス)」を中心に成長を目指しています。
ユーバンスとは、社会課題解決の支援を軸としたITサービスをクラウド環境で提供する事業です。個別のシステムインテグレーションと異なり、業種の垣根を超えて標準的なサービスを提供することに特徴があります。コンサルティング主導で顧客が認識していない社会課題上のリスクを洗い出し、その解決と経済の両立に貢献しうるサービスを提供することで収益につなげます。
サービスソリューション事業に占めるユーバンスの割合は拡大傾向にあります。2023年3月期はセグメント売上収益の10%でしたが、2025年3月期は21%を占めました。今期(2026年3月期)は30%までの拡大を見込みます。採算も改善しており、セグメント調整後営業利益率は今期に15.5%に達する予想です(2023年3月期:同8.2%)。
富士通によると、ユーバンスがターゲットとする市場の規模はグローバルで25兆円(2025年度)と大きく、今後も拡大が期待されています。また、異業種間でのサービス提供は技術的に難しく、巨大テック企業も未参入の状況です。先駆けて参入した富士通は優位な立場を確立しており、2030年までに世界トップ3の地位を築く目標を掲げています。